アキバの変化を噛みしめる

masays2006-10-30

 毎週月曜日はちょっと遅い時間の授業をやっているのだが、昼間の用務とその授業の間のわずかな時間を利用して、アキバツアーに参加してきた。アキバ歴四半世紀になり、アキバのタウンペーパー*1に書き物もしているのだが、たまには業界の皆さんと新たな視点でアキバツアーもおつなものかな、と思って。
 行ってみれば、まぁいつもの仲間*2からお役人や野田聖子議員*3までいる大混成メンバーで、これがわいわいがやがやラジデパからラジ館、九十九などへぶらりぶらりするという、変な光景に相成りました。個人的には、ディープなアキバツアーというなら何はなくとも秋月に行かねばと思うのですが、ディープすぎるし、だいいち月曜日は定休日なので却下となったようです。残念。


 しかし、アキバといえばラジ館。7階のBit-innの碑を見るたびに、往時を思い出します。そういえば、僕の最初のパソコンであるAppleIIは同じフロアにあったマイコンセンターRAM*4で半年近く店員さんと交渉(無駄話?)したあげくに年末セールで安くなった*5セットをようやく買ったものでした。Bit-innの場所がレンタルショーケースに変わったのは本当に時間の流れを感じさせてくれます。


 最近のラジ館のお店の中で個人的に気に入っているのは、6階にあるVOLKSさんです。ここの人形コーナーはすごい。すでに美術品です。四谷シモンさんをはじめとして日本には優れた人形作家がいらっしゃいますし、一点ものでなくても、リカちゃんやバービー=ジェニー*6、そしてちょっと毛色は違いますが変身サイボーグシリーズなどの文化もあります。これらがフィギュアキットとして進化を見せているわけですが、ちょっとすごいです。米国や欧州なら、これは美術館の一部にあるべきものだと思います*7


 まぁ、それよりなにより感動したのは、海洋堂で売っていた「挫折禁止」シリーズ。こりゃ面白いわ。一行いたく感動し、野田先生なんて、「これ無所属の先生に配ってあげようか」とか言ってたっくらい。思わず買ってしまいました。「挫折禁止」、胸にじ〜んとしみいります。なお、たまにはorzしたいという向きには、「挫折禁止」にはこの「終日」バージョン以外にも、「土日以外」バージョンもありますから、そちらをお薦めします。weekdayは気張って、土日には心ゆくまで挫折しましょう。


 なんだかんだ言って、やっぱりまだまだアキバは楽しいのです。が、なにせ野菜市場があったころからのアキバ族ゆえ、ダイビルUDXがある北を見ると、「アキバはこれじゃねぇだろう」とつぶやいてしまう、ロートルであります。
 でも、まぁ、新しいアキバのよさを発見できただけでも、とりあえず、前進。




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*1:アキバCulketNewsというヤツです。アキバに来たら、手を伸ばしてみてください。

*2:このイベントにはデジハリの杉山校長が校長日記にレポートされています。杉山さんは最後までいらっしゃったんですねー。僕は授業があったので早々に西早稲田に戻ってしまいました(>_<))書いていました

*3:このタイミングでよく参加できましたね〜。

*4:富士音響さんのブランチでしたね。

*5:なにせAppleIIですから、安くなっても、NEC PC8001シリーズやSHARP MZ80シリーズの通常フルセットくらいの値段はしました。まぁフロッピードライブセットにすると、こんなものなんです。ディスクシステムが前提のAppleIIと違い、当時の日本のパソコンは、本体は安くてもフロッピードライブがやたら高価でしたから。

*6:よく知られたことですが、米国マテル社がライセンスを所有するバービーは、80年代にタカラが授権して日本版を出すにあたり、リカちゃんを参考に、全く顔を作り替えてしまいました。その後マテル社はバービーが日本でも売れたからか、そのデザインがオリジナルとあまりにも違っていたからなのか、バービーのライセンスをタカラから引き上げてしまいますが、その時の日本版バービーのテイストをほぼ引き継いで生まれた商品が「ジェニー」です。余談ですが、その後マテルはバンダイ合弁会社を作ってジェニーテイストの新バービーを販売するわけですが、ジェニーに返り討ちにされて日本市場から撤退しました。

*7:村上隆氏の作品が美術館にあるのは楽しいけれどミスマッチですが、この人形達が美術館にいたらとても自然に思えるでしょう。