2006-01-01から1年間の記事一覧

次に、二つ目のコメントに反応。

僕は、国は日の丸オープンソース政策とは手を切るべきだと思っているので、そういう意味では肯定的に反応しました。けれど、手を切るにもやり方というものがある。 日中韓オープンソース会議とか、国家主義的色彩が強い、やりすぎな政策は確かにあるし、それ…

まず、一つ目のコメントに反応。

問題かどうかは、何年後かに出る成果を見てからにするべきだと思います。まさかIPA丸投げとかはしないでしょう。それに、事業の垂直立ち上げには一気呵成の投資も一つの作戦ですから、関係者も手間暇と心を砕いて仕事をすることを信じて、批判はその時までと…

スラドでいじられる古巣を弁護(?)する

毎度のネタ元で恐縮だが、スラドJで経済産業省の2007年度予算案についてのコメントが出ていた。内容は二つ。一つは「情報大航海にいきなり46億突っ込むのは問題」ということと、もう一つは「経済産業省はオープンソースを見放した」ということ。表現ぶりは…

今年のM−1に思うこと

今年のM−1は、チュートリアルが制覇した。見たけど、確かに面白い。ネタとしては、なんでもないことをとても重要なことに見立てて、なんでもないと思っているツッコミと重要なことだと思っているボケの間のズレを楽しむ*1というもので、ワンパターンではあ…

番組の転送視聴に著作権法上合法との判断が知財高裁から出る

この問題は、ほんの2年前に「録画ネット裁判」として争われたものと基本的に同じ構造になっています。つまり、受信機と視聴者が遠隔であるような状態での視聴が私的複製の延長として許されるか、ということと、それを可能ならしめるサービスが合法であるか…

嬉しかったのでいっぱい更新

正午、授業前に・・・ もともと今日は更新しようと思っていたのだけど、( ̄ー ̄)ニヤリとしたので、急遽書き込み。

北京で見つけた変なもの。

で、昨日北京から帰ったわけですが、あまりにも面白いものがいくつかあったので、掲載。 1.長尾理論 北京の本屋で見つけた一コマ。 最近、長尾理論というのがでている。長尾って、日本人かなぁ?(外国では有名だが、日本では無名という日本人はけっこうい…

文化産業の経営難の特効薬は、やはり。。。

第一回中国北京文化・創造産業博覧会のなかの、演出産業高峰論壇というものに出場するということで、北京に行ってきた。演出というのはこの場合ライブということなのだが、コンテンツのビジネスモデルを専門にしてますというのに、ライブの話に呼ばれたのは…

代アニがんばれ!(大学もっと頑張れ!)

代アニこと、代々木アニメーション学院が民事再生法を申請した。 長いこと、アニメ業界の人材育成は専門学校に担われてきた。代アニはなかでも老舗で、なんてったって僕がまだアニメ雑誌なんか購読していた30年くらい前に、すでに派手派手しく広告を打ってい…

P2P流通の補償金問題について

う〜ん、経済学からのアプローチをしているものとして、これは評価が難しいのねん。 著作権法の経済学的な側面から見た根本的な問題は、許諾権方式の是非にあります。許諾権方式が正当化されるのは、価格という条件を調整するための市場を設定するには必要だ…

海賊版アップロードの非親告罪化について

みなさん誤解されているかもしれませんが、僕は、プロ知財派です。ええ、ええ、相当の事業者寄りです。よろしいですね?それを前提に言います。 海賊版、さらに言えばアップロード型流通の取り締まり非親告罪化は、論理的に間違いです。これはいかん。 こう…

著作権の延長問題について

著作権についていうと、権利保護イコール産業振興だという考えは、栗原潔さんではないが、早くやめて欲しい。それはもう大前提。 著作権法に書いてあるので議論の対象として適当かどうかわからないが、まず、著作権は神聖なる人権であるという議論を少し冷静…

著作権で三題書くのこと

腰を壊した。原稿がたまった。そんなわけで、心を入れ替えて再度始めたブログの更新が2週間以上も止まった。参った。でも、腰もよくなってきたし、喫緊の原稿も第一稿はあげたし、なにより書かないわけにはいかなくなったので、更新する。うへー。著作権に…

スーファミPC Σ(゚Д゚;) スゲェ!

インプレスのAKIBA PC Hotlineによれば、T-ZONEがスーファミの中にPCを実装したマシンを作ったそうだ。 それにしても、う〜む、完成度が高い。きちんとコントローラコネクタはUSBになっているから、USB接続タイプの家庭用ゲーム機ライクなコントローラをつな…

祝、JavaのGPL-オープンソース化

いろんなところに出ているから何だが、Javaがオープンソースになったそうだ。ライセンスはGPLv2。何はともあれ、よしよし、である。 Javaに僕がこだわるのにはいくつかの理由がある。まず、家庭用コンテンツ実行デバイスを考えるとき、そこで実現されている…

「楽しい中央線」は、いい!

いやぁ、太田出版というのは凄い出版社だと思う。PARCO出版なみに凄いと思う。こんな本出すんだから。こんな本って?そりゃあなた、「楽しい中央線」ですよ。 何が凄いって、書いている人が凄い。どの出版物の扱いを見てもイロモノ系(失礼!!!)の方々の…

信じるという甘え

政府主催のタウンミーティングでやらせ質問があったということで、批判が相次いでいる。 ま、批判されてもしょうがない。公式にはガチンコでやっていると言っているんだからさ。嘘は嘘だったわけだ。 しかし、そもそも官僚がガチンコでホントにやるわけない…

著作権侵害摘発相次ぐ。さて・・・

今日はやけに著作権侵害の摘発が相次いでいる。しかも、それが大規模な事業者によるものというより、小金レベルの話だ。 一つは、KAT-TUNのコンサートを盗撮し、DVDにして売ったというもの(サンスポの記事はこちら)。コンテンツは最終的には知覚できる現象…

あらびっくり。また日経新聞に載ってしまっただ( ̄□ ̄;)!!

今日の日経新聞に、私が持論にしている「二階建て制度案」に関するインタビュー記事がでていました*1。本当はもっと長〜い内容だったのですが、あそこまでギュッッギュと詰められるものだと感心するくらいコンパクトになってました(紙は貴重な資源です)。…

スタバのドライブスル〜?!

九州は福岡に来ている。 故あって福岡大学の学祭を覗こうと思っていたら、あらなんと、昨日までだったのね( ̄□ ̄;)!! 調べたはずなのに勝手に思いこんでいた自分が一番悪いのだが、なぜ日曜までやらない! 大学で教えていて思うのだが、最近の学生は妙に…

アキバの変化を噛みしめる

毎週月曜日はちょっと遅い時間の授業をやっているのだが、昼間の用務とその授業の間のわずかな時間を利用して、アキバツアーに参加してきた。アキバ歴四半世紀になり、アキバのタウンペーパー*1に書き物もしているのだが、たまには業界の皆さんと新たな視点…

日中韓女性会議

今週、木曜日(11/2)、東京は経団連会館で日中韓女性会議が開催される*1。 川口順子氏が中心になって開催されているこの会議には、昨年、私も参加した。私はフェミニストではないが、「女性であること」の凝集力の強さというのは驚くべきものとして認めてい…

中国の消費者を海賊版から救いたい

日経新聞に拠れば、海賊版・模倣品の取締が不十分であることについて、米国を中心に日、欧、加は共同で中国をWTO/TRIPsに提訴する方針だそうだ。この件については、ただエンフォースメント不足を指摘するだけでなく、それと対になっている正規版流通規制の問…

44年ぶりと52年ぶり

日本シリーズが終わり、北海道日本ハムファイターズがプロ野球2006年度日本一の座に着いた。SHINJO選手にとっては正に有終の美であるし、北海道にとっては初めての優勝旗であるし*1、確かに意義深いことは意義深い。44年ぶりに、東映フライヤーズ*2といって…

自己責任の時代のロビー活動

ふとCNETを見ていたら、先日、オーマイニュースのシンポジウムの時にお会いした佐々木さんが「オーマイニュースの記事への批判に答えて」というエントリーを発表していたので読んでみた。僕の胸に刺さったのは、「政府や行政、大企業を批判をすれば、誰も文…

谷山浩子さんメジャープロジェクト参加を喜ぶ

ごく一部ではよく知られているが、私は谷山浩子さんの25年来のファンである*1。好きなアーティストを挙げろと言われたら一、二に挙げるくらいのファンである。もう15年くらい以前、ファンクラブのイベントでいただいた天文学の絵本は、今でも大切に持ってい…

オープンソース支援者という国家ブランド

オープンソースというのは、対MSでもなんでもなく、ソフトウェアを効率的に社会が進化させていくときの効率的メカニズムの一つである。それ以上のものでも、それ以下のものでもない。 オープンソースに関わる人々にはそれぞれの想いがあり、それをより柔軟に…

政府はどこを向いている?

さて、数年前から日本政府はOSSを鼓舞している。特にLinuxを鼓舞している。その所以は、LinuxはMS-Windowsに対する、重要な対抗策であるからである。そして、この思想をアジア諸国にも鼓舞したが、そこから生まれたのはやはりAsianuxという名のLinuxである。…

純粋経済人仮定の限界で動く「価値」

純粋経済人の仮定が揺れている。別に行動経済学の議論を持ち出すまでもなく、個人のモチベーションはそもそも純粋経済人の仮定から外れている。巨視的な産業組織の周囲における資本の動きについてはさておき、それが微視的な個人のクリエイテビティの次元で…

オープンソース運動の産業政策としての先鋭性

オープンソースという考え方は、産業政策の対象としてとても面白い。その面白さの核は、オープンソースが持っている「使ってくれることが嬉しい」というモチベーションによる行為継続システム*1が、所有をベースとした(利活用許諾と対価回収)×(投資と所有…