2004-01-01から1年間の記事一覧

所有と利用、権利と義務

90年代の、なんちゃって金融資本主義ゲームが一定の成果と共に曲がり角にきているのではないか? なんて、いきなりでもうしわけない。先日ラジオのコメンテーター用の原稿を書いていた*1時に、所有と経営の分離ということに触れた*2。いうまでもなく、所有と…

祭りとは何なんだろう〜或いは醜いクリエイティブへの反発

映画祭をやっていると、いつも「映画祭は誰のためのもの?」という問いかけに突き当たる。それが参加者のためのもの、ということは誰も反対しない。しかし、不思議なことに、映画祭を作る時、参加者や観客への十分なヒアリングや巻き込みが行われることは少…

コミケにでたのですが

宣言通り、“六角商事”の名でコミケに出ました。コミケ参加は20年選手(途中15年ブランク有り)ですが、ブース出店は初めてです。正直、売れるかどうか心配でした。 結果はまずまずで、持ち込んだ数の7割程度は売ることができました。これまでの論文を集めて…

公的事業と私的事業と東京国際映画祭

東京国際映画祭の事務局長をやっている。 こういう仕事をしていると、公的事業の経営論ということを考える。 そもそも、ある事業体が収入を得るための方法は3つある。 顧客から。事業者内部で。スポンサーから。 顧客から、というのは上策だと思う。 スポン…

映画よ、物語消費の再来に甘えてはいられないぞ

デジタルクリエイタ(でいいのでしょうか?)高城さんと久しぶりにお会いして、コンテンツの消費傾向の話になった。氏の意見は、音楽業界がアルバムから単曲に移行せざるを得ないと同様、映像の世界もショートに行き着くというものだった。 僕はですねー。半…

意外な…というか、うぅむな出会いから追憶の日々へ

先日、GAINAXの武田さんにあった。 お仕事*1の関係です。初対面だったんですよ。でもー、どっかで見たんだよなー…ということで、「あ、快傑のーてんきさんですね?!」ということで話が通じました。*2 そういえば、私が快傑のーてんきを見たのは、85年ロスコ…

歴史の書かれ方

昨日、テレビでタイ大使の岡崎さんと小林よしのりの対談を見ていた。小林氏はさておき、いやぁツッコミどころ満載の香ばしい方ですねー、岡崎さんは。特に印象に残っていたのは、田原総一郎に親米派ですよねと突っ込まれたときの「日本は歴史的にアングロサ…

自己責任論

イラクから帰還した「捕虜」の人達から、また数人、イラク入りをする人が現れた。これは当初から予想されていたことで、驚きではない。しかし、それがよいことか、悪いことかを、その判断の前提に無頓着に語るのは、床屋政談でしかない。 話をもう一度、自己…

「自己責任論」は国と国民の関係性を見直す契機になるのか?

国家機関で働いていると、国家の機能の限界はすぐそこにあるように見える。自分と自分の目の届く範囲の能力の限界は、誰でもそうだが、日々感じているからだ。それでいて、国家が免責されることは極めて希で、あたかも国家は無限責任者であるかのように取り…

「CASSHERN」は見た方がよい。

先週、紀里谷監督のお誘いでCASSHERNのプレミアに参加した。 結論から言う。「CASSHERN」は見た方がよい。 ある作品について書く時、良い、悪いというコメントを書くのは常に悩ましい。冒頭から脱線するのだが、イラク人質事件に関する「日本社会の反応」な…

経済に期待しなくなったら日本はどこへいくのだろう

好景気、なのです。実際、たぶん、かなり足腰の強い好景気だと思っています。でも、これは今までとは違う好景気になるのでは…と思っているのです。 それは、この好景気が一部の人のための好景気にならざるを得ないからです。先後、バブルに至るいくつかの好…

誉めるということ

大阪に行って、iMedioさんのBroadStarの表彰式に出てきた。役人時代から審査員をしていて、これで2度目。今回私が表彰状を渡したゲーム・GOKI DASHは本当にしっかり作ってあって、そこを評価した。もう20年近く昔にはプログラマ/ゲームデザイナーだった*1…

アジアの真ん中でアイドルを叫ぶ。ということ。

著作権法改正を目の前に、サンドバッグになる日は続く(泣)。いーや、もう。どーにでもして(苦笑)。 それはさておき、東先生と霞ヶ関で、立ち話。今度の反転状況と80年代との違いは何かということで、インターネットがあることと、アジアとの位相が合って…

90年代のニューミュージックとラカン

先日、シンポジウムの仕事で新潟に行って、議論をしていたときの話。例によって話題は70年代安保以来のJ-POPに及んだ。その時、やや思いつきながら… 中島みゆきの歌は想像界に属する。理想、超自我と自分とのΔを常に問題にする。 ユーミンの歌は象徴界に属す…

勝ち組年収バブルという怖い話

昨日、古い友人と食事をしていると、「年収1千万以上は勝ち組」という。なぜ?なぜ?と問えば、意外な答え。「転職の際には前職の年収+αになる。年収は落ちることがない」。あれ?それでも、???。たしかに転職のメカニズムはそうさ。だけど、ハントする…

人は過剰に支配する

というのは、たしかフーコーの言葉だっただろうか?概説本の読みかじりだから当てにはならないかもしれないが、気になる。 音楽CDの輸入権に関していろいろなweb上の論説を見てたのが入り口で、知的財産に関するいくつかの議論を読ませて貰った。そこで、知…

PowerMacG5をDellと入れ替えて怒号爆発の件

長年住み慣れた経済産業省を離れ、角川HDに移籍。東京国際映画祭事務局に移って、ほいで仕事としてベルリンを訪れている。映画祭なのだ。 閑話休題。PMG5をDellと入れ替えたアンディ君がMacファンからの怒号のメール爆撃を受けたそうだ。umm…。私はMac屋なが…

国際会議の後産(悔しさの咆吼)

16、7日と、ANEPR2003という国際シンポジウムにガラでもなく出てきました。「アジアの新しい秩序」というテーマの中で、政治(国家)・経済(企業)・文化(??)の三つ巴構造が見えてきたのは確かだ、とシンポ後の青木RIETI所長との雑談の中で話していまし…

超越論の限界〜他人の論評に憤る必要はない

朝日新聞に掲載されていた村上隆のコメントを見ていて、「アニメがビジネスとして成功するから支援するというのには憤りを覚える」(記憶に頼って書いてます。不正確だったらすいません!)という言葉に目がとまった。この言葉は、役人をやっていた時の自分…

反転は近い

年が明けた。 日本の歴史はその閉鎖性故に、2つの波の交互の表面化を経験してきた。波が交互に現れるのは世代間継受のせいで、10代の感受性が強い時期の影響をその時のモードを作り出す30代から受けるため生じる。この波は約10年の幅を持ち、全体周期が20年…