90年代のニューミュージックとラカン
先日、シンポジウムの仕事で新潟に行って、議論をしていたときの話。例によって話題は70年代安保以来のJ-POPに及んだ。その時、やや思いつきながら…
- 中島みゆきの歌は想像界に属する。理想、超自我と自分とのΔを常に問題にする。
- ユーミンの歌は象徴界に属する。全てはきちんと自分に都合よく理由づけられている…ように見える。
- 谷山浩子の歌は現実界に属する。悲劇と喜劇を結びつける意味のない言葉遊びで象徴界の解れを顕わにする。
いずれも80年代以来活躍しているアーティストであり、サイクル的にはそろそろ全面的再評価が始まる感じがする。みゆきやユーミンについてはともかく、谷山的なシニフィアンの遊びにうち興じる人、例えば有頂天なんかもそうかもしれないけど、その系統の人にはあまり再評価の兆しがないかな?とも思う。現実の破綻が谷山的機能を代替して、歌にそれが必要なくなったとすれば、結構不幸な時代になったのだな…と思ったりして。