人気コスプレ大会、県に苦言の電話1本で中止。
女性を殺して下水に流して、その痕跡が見つかったとかいう、ほとんど都市伝説、いや半ばオカルトというか、ゴルゴ13真っ青*1というような殺伐とした事件の隙間にこんなものを見つけるとそれだけでホッとするんだが、よくよく考えるとアホウな話である。
忘れている人もいるだろうが、筆者は役人をやっていた。というか、まだ身分上は役人そのものである。苦情の電話なんて、そりゃまぁ受けますわ。受けたら受けたで真摯に検討はするが、苦情を受けることそのものにビビッとったら、政策なんてな〜んも打てやせん*2。
だいたい、コスプレは日本が本場のはず。東京国際映画祭に居た時なんか、もしカーニバル*3になるのだったら、その期間中、いや、せめて同人イベント*4の間は、東京都に言って、公共交通機関でコスプレし放題の「東京コスプレ解放区宣言」でもやってもらおうと思っていたくらいだ。
・・・と思っていたら、先日、そういうシーンに出会った。
先月末、スケジュールの間隙をついた突撃旅行*5で5/24、25にロンドンで開催されたMCM EXPOに行ってきた。
ヒースローからエクセルセンターに向かう地下鉄の中で、なんかエンジのコート着てネックチーフしたオッサンがいて、「すごいやん、さすが紳士の国・エゲレス。日本でこんなんやったらコスプレやで」とか思っていたら・・・コスプレだったのだ。ハガレンのエドのコスプレ。地下鉄の中から。
(ここにエンジのコートの後ろ姿が見えるが、これがエドオッサンである)
海外のオタク系イベントというと、なんと85年のSF大会ロスコン以来なので、かなり期待していった*6のは事実だ。規模はさして大きくないながら、いやぁコスプレ魂はすごい。見よ、このチョッパー(ワンピース)を。ここには載せていないが、デカレンジャーやモーグリ(FFシリーズ)など、気合いの入った着ぐるみが勢揃い。着ぐるみでなくても、FFシリーズやハガレンは言うに及ばす、セラムンやハルヒのセーラー服軍団、るろ剣を筆頭とするなぞの和服軍団、はてはマリオにもののけ姫まで、20代〜10代のコスプレ戦士が、もう駅からコスプレ。っていうか、地下鉄の中からコスプレ。多分、自宅からコスプレ。もう大笑い。
エゲレスですらこのくらいはできるのだ。
コスプレ先進国のはずの日本が「会場外コスプレ禁止」なんてことでどうする。
いや、苦情の電話一本でコスプレイベント止めてどうする。
コンテンツ立国なんて言ってるんだから、文科省や経産省は、いや、総務省でもいいが、即刻山梨県に苦情の電話を入れろ!苦情で止めるなら、苦情で「止めることを止める」かもしれないから。
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*2:以前、モー娘。の映画を使って映画の地域上映事業実証試験をやった時なんて、天下のAERAさんにまで「経済産業省まで・・・(モー娘。だのみか)」なんて書かれたし。そういや、その前は「国土庁、ねるとん?」なんて日刊スポーツに書かれたりもした。どれも楽しい想い出です〜♪
*3:東京国際映画祭は映像祭からエンタメ祭りを目指していたので、将来的にはいろんなイベントを連ねたエンタメウィークになると考えていた。これは後に今のコフェスタという企画に流れていくのだが、当初の考えと現在のものはだいぶ違っているように発案者としては思っている。
*4:本当はコミケと期間をかぶせて勝手に一部になってもらおうと思っていたのだが、コミケがいやがるかもしれないな・・・。と思ったので、コミケとは書かなかったけど、イメージはコミケ。
*5:ロンドン、ゼロ泊。しかも、南回り航路。マイル修行ということもあるが、まるまる4日横にならない、という恐ろしい強行軍。救いはA380に3フライトも乗れたことと、プレミアムポイントが一気に2万ポイントも貯まったこと。
*6:海外のオタクたちのコスプレ魂はすごい。このロスコンでも、(ひげ面の金髪中年デブ白人おやじの)あたるや(妙に妖艶な黒髪中年白人の)ラム(うる星やつら)なんかと遭遇した。この光景は、のちのちまで私のトラウマになった。