オーマイニュース全面リニューアル

 オーマイニュースが看板を下ろすとか。まぁそうだろうな。
 オーマイニュースには少し想い出があって、2006年の秋、スタートアップ時に天秤の研究室が主催になってオーマイニュースを考えるイベントをやったことがある。その際に、すでにブログが一般化し、また韓国と全く政治土壌もことなる日本では、オーマイニュースのビジネスモデルは立ちいかないという議論をした。それが現実になっただけだ。
 個人的には「市民メディア」という言葉と考え方に大きな疑問を持っている。
 それが「マスメディア」の対立概念であることはいうまでもない。オーマイニュース立ち上げ時の議論を参考にすると、だから人々が発信する情報による信頼あるメディアを作るのだ、ってなことになる。
 だが、「マスメディア」の対立概念は「人々の発信の総体」である。そこには編集や、品質保持といった「管理」は入る余地がない。言い換えれば、「市民メディア」というのは、人々の書き込みの上にもう一つのマスメディアを作ろうという運動に見える。「市民メディア」は「第二マスメディア」なのだ*1。マスメディア間の、或いはメディア人の内ゲバに、一般書き込み人が巻き込まれているだけだと言っても良いかもしれない。
 だいたい「市民」ってのが古いよね。すごくフランス革命的で、西欧の革命主義、政治論の臭いがする。
 天秤が大衆文化を愛する理由は、大衆のごく動物的な嗜好が、そうしたイデオロギー的なるものまで消費対象として越えていってしまうところにある。「市民」とか言ってマスメディアのカウンターを気取るような思想運動は、大衆からすればチャンチャラオカピー音頭なのである。
 オーマイニュースは、消費対象にすらならなかった、といってもよいのだろうか。

*1:よく考えたら、だったら2ちゃんを元ネタにする「今日の2ちゃんニュース」みたいなヤツを作れば良かったのにね。自動編集型の2NNじゃなくて、責任編集制にして、2ちゃんの書き込み以外の派生したブログネタなんかも交えた。それってネタリカ?ってなツッコミはさておいてさ。