無粋を裁く罪と、罪の無粋

ガンズ・アンド・ローゼズの未発表曲をネットで流したヤツがFBIに逮捕された、とバラエティジャパンが報じている。もちろん理由は著作権法違反である。米国の著作権法なので複製権で対処しているかもしれないし、日本法だったら公表権違反なのだが、いずれにせよ著作権である。
そう聞いて、また著作権法か!といきり立つあなた、ちょいと矛先を納めてほしい。
確かに法的には著作権法違反だから罪に問われるのだが、そう言わなくても、ばらしたコイツはちょっと問題である。コイツがしたことは、推理小説をワクワクしながら読み進める子供にオチをばらすようなものである。無粋極まりないことなのだ。
法律違反だ、というのは法的形式である。問題は、この無粋な行為であり、それを法的に問題にできるように公表権だの、複製権だのというやつがあるわけだ。
ただ、問題は、本当に裁きたいもののために過不足無くその罪が規定されているかどうかである。
業界間の秩序を形成するためなら「出版権」(大量流通業の間の独占権)でよく、「複製権」なんて決め方をする必要はない。それによって、少年が好きな女の子にCDを焼いて上げることすら「違法行為」になる。
まさに無粋、ここに極まれり、である。