コンテンツ企業にとって事業統合ってさ・・・(2)

コーエーテクモ統合に関して新さんがゲーム業界の世界大再編ってことで書いているのだけど、ちょっと付言。
昨日、自分でも書いた通り、コンテンツ企業の経営改善にとって事業統合はさして特効薬ではない。ただし、一つだけそこには条件がある。それは、コンテンツの制作費用がある程度小さい場合である。
急激にコンテンツの制作費用が高騰した場合、そもそも資本規模が小さければ消費品開発ができない。だから資本統合、というのは一つの考え方だ。
ただ、もう少し頭をフラットにしてみよう。製作費用の調達であれば、ファンドなどの金融手段を採ることも可能ではある。資本統合っていうけど、そもそも株式会社でいう「株」は投資ベースのコーポレートファイナンスなんである。事業に関する資金調達方法は何もそれだけしかないわけではない。
資本力強化の効果は限定的である。そして資本力強化の手法として事業統合は何も唯一の選択肢ではない。だから、事業統合の意味は今ひとつ不透明だ。
どうも新さんは大再編を期待しているようだが、天秤はどうも違う。
欧米企業が大再編に行くとしても、それだけの理由では大再編を推奨できないだろう。クロネコヤマトにしぶとく対抗する赤帽のようなやり方もなくはない。だいたい、大再編によって起きるプロジェクトの取捨選択、そして増強された資本で後押しされる新規プロジェクト、その巧拙の方が重要だ。大再編したって事業効率化の錦の御旗の下で稚拙な事業再編が実施されたら、そっちの方が悲劇だ。
だから、大再編を期待するのではなく、「よい大再編」を期待しましょう。


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