IP電話網構築、見積もり2億円、自分でやったら800万円

自分でやったらいくばくもないものが、業者に頼んだらびっくりするような値段になったということはいまさらびっくりもしないのだが、実例を見せつけられると迫力がある。ITproの情報で秋田県大館市は2億と業者に見積もられたIP電話網の構築を職員が800万円で実現してしまったというのがそれで、率直にいってたいしたものだ。
ただ、この点で二つ、指摘しておこう。
まず一つだが、大館市はこれをやってのけた大館市産業部商工課商業労政係主事の中村芳樹氏はじめ、担当者にきちんと報いてほしいのだ。ボーナス増額とか社長賞、何階級か特進といった民間企業のようなやり方は地方公務員の人事制度+年功序列にはできないかもしれないが、それを口実にしてはいけない。成果には報いなければならない。
そしてもう一つだが、逆に、担当者の異動*1や辞職の場合の、このIP電話システムのメンテを考えることだ。従来から高い高いと書かれている委託開発費なんだが、これはメンテナンス責任の対価という意味もあると考えられ*2、2億円の評価はさておき、そうしたメンテ体制を永続的に保持すること自体は避けられないことだと思う。
そうしたことを無視しして、「自分でやったら安いんだろう?」なんていう馬鹿げたコストカッターがこうした事案で横行するようになることは避けるべきだ。

*1:異動させないとすれば、それはそれで凄いことなんだが。

*2:実は、この部分はもう少しいろいろな条件、特にメンテナンス契約の内容を補って考えなくてはならないところである。年間メンテナンス包括義務を含むのか(しかも契約外の効果として「実質義務付け」みたいなものを含め)、それはどのくらいのトラブルやサービスまで含むのか、等々。