東方神起問題はどう展開するか
韓国の人気アイドルグループ、東方神起が解散した。
以上終わり。
というわけではなく、なぜ解散したか、という話が先週あたりから一部新聞と雑誌メディアでかなり広範囲に報じられている。あまりに広範囲で、あまりにソースと論調が同じなので、関係者(エイベックス?)が意図的に流しているのかも、と勘ぐったりする。
そう考える合理性はなくもない。というのも、東方神起が日本でようやく本格稼働してあまり間がないところでの解散で、関係者の中には損害を被ったところも少なくないだろうからだ。日本でのマネジメントを行っていたエイベックスとしては、こういう状況の中では、問題はエイベックスにあるのではなく、本国のSMエンタテイメントにあるのだと言いたいだろう。そう考えると、エイベックスのパブかな?と思っている。これはあくまで小生の推測なので、もし違っていたら申し訳ない(と最初から謝っておく)。
だが、ちょっと気になるのは、その論理構成だ。
東方神起が解散したのは、むちゃくちゃなマネジメント契約(アルバム収益は、50万枚以上を売り上げた場合のみ、次のアルバムを発売する際に1人当たり1千万ウォンを受け取るのみ、など。詳しくはこちらのリンク参照。)が理由である。そうなったのは、CD売上が韓国で激減し、ライブその他の活動で収益を上げなければならなくなったからである。その理由は、インターネットである。
一連の報道は、こうした論理で事態を説明している。
さーて、これをどう評価するか。
■展開1:フリーミアム批判
コンテンツ販売からライブに軸足を移すのは、C.アンダーソンが有名にした「フリーミアム」*1の典型例と言われる。そこでは、フリーミアムがあるから、コンテンツそのものはフリーでもいいんだととられかねない議論があった。だが、ほら、見たことか。フリーミアムではスターはもたない。産業ももたない。フリーミアムは詭弁だ。
■展開2:違法コンテンツ対策強化
韓国でCD市場が崩壊したのは、インターネットが普及したからだけではなく、インターネットの上で違法複製コンテンツが横行したからだ。東方神起の悲劇を繰り返さないためには、違法コンテンツ対策を強化しなければならない。
■展開3:韓国芸能プロ批判
いくら市況が悪くても、あまりに非道い契約はスターを壊す。そのくらいわかっているはずなのに、会社の都合でそれを強行したSMエンタはおかしい。いや、日本の芸能プロダクションなら、コストダウンや支援体制の組み替えで対応し、そんな真似はしない。
うーん、どれもありそう。
展開1とか展開3はけっこう歓迎。その通りだと思う。
展開2も理解できるが、ここで「東方神起」というアイコンをかさにきて、あまりに強烈な手法が導入されるのは困る。例えば、音楽ファイルはベンダーのチェック無くして携帯電話やその他のシリコンプレイヤー(PC用プレイングソフトを含む)で再生できないようにするとか*2。
東方神起死んで*3使いにくい携帯プレイヤーを残す。これでは音楽が二度死ぬことになる。
ちょっと、かなり、イヤ。
みなさんも、この問題の展開に注目されたい。
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