引用って怖いなぁ・・・

 親しい人からメールでお知らせがあったので調べてみると、8/17付けの日経新聞で「テレビ進化論」の一部が引用されていた。「このままでいくと、2013年にはネットの広告費がテレビの広告費を追い越す」。ってあーた、その前後に「今の傾向をそのままのばせば・・・そんな試算を鵜呑みにはできない」ってあったのを見落としてたの?ホント、引用って怖いなぁと思いつつ、忙中有閑ということで。

文化審議会の中心でコミケを叫ぶ

 来週、文化審議会で、コミケにおける二次創作活動と著作権保護期間延長との関係について10分プレゼンをすることになって、その準備に追われている。
 コミケとのつきあいはすでに四半世紀を超えているが、あの頃と今とではコミケは大きく変わっている。ゲリラ的な、自生していたイベントは、すでにニュースにも報じられる年二回の東京の名物イベントへと成長した。確かに手作り感が薄れてきた*1のは残念だが、子供だって大人になれば、無垢な笑顔とは違った魅力が出るものだ。そこは成長したのだと前向きに受け取ろう。
 問題は、コミケにどういう意味づけを与えるか、なのだろう。意義ある役回りをいただいた。よく考えて*2プレゼンしたい。

*1:始発の有楽町駅から晴海へと小一時間テクテク歩いた日が懐かしい。あの頃は、会場に行って知り合い探して事務局に行くと、なぜかその場でトランシーバー渡されて会場整理人に突然されたりしたものだが、最近のコミケはずいぶんとシステマティックになって、そんなズルズルのことはもうできない。いやぁ、コミケもずいぶん変わった。

*2:っつーても、20日中にプレゼン資料をあげねばならないので、ゆっくり考えているヒマはないのだが!!

小学館が再版・買い切り選択制度をやってみるらしい

 最近、いろんな方々と国会図書館に月イチで集まって、本の未来をあーでもない、こーでもないと話し合う機会がある。いまだに出版とは縁が深い*1
 出版産業の改革に関する天秤の立場は、再販制に反対なのではなく、本をすべて再版取扱にしようという出版社の態度に反対する立場である。天秤は、それを2001年から繰り返し主張してきたつもりだ。
 小学館のこの動きは、再販制問題に対するメジャー出版社側の一つの回答だろう。識見である。RFIDなくてもできるじゃないかよ、とかややツッコミどころはあるものの、まずは歓迎したい。
 出版産業の苦況の一端は、ネットとの関係で圧倒的に不利な流通コストにある。他方で、出版産業の本質は紙としての本にあるから、紙vsネットという構図の中では、まずもってどこまで紙の業界がシステム全体のコスト低減を実現できるかが大事になる。再販指定しないでよい商品を再販に回すと、この全体コストが上がってしまう。だから再販・買い切り選択制なのだが、小学館の巧い*2ところは、それを出版社の指定ではなく、小売書店が選択できるようにしたところだ。
 もちろん、こうした「実験」は、一回ではしょうがなくて、数年単位で、またビジネスモデル開発の責任者も貼り付けて、本気で取り組むことが必須だ*3
 個人的には、今の書籍、コミックに関する利用状況の変化に産業が単純自助努力で対応するのは限界があり、最終的には新型流通と天秤が称する新古書店マンガ喫茶と生産者の間に金流をつくる制度的対応が要ると考えている。だが、それを実現するためには、出版産業の最大限の自助努力が前提条件だ。今回の試みは、その一つとカウントして良い。
 ただ、2001年から主張しているので何か自分でも言い疲れてきたが、もういいかげん、音羽と一ツ橋、飯田橋も入っていいし、トー日販もくんででもいいからブックオフ買収しろよ、ともう一度言っておこう。既存出版産業にとって最良の戦略は、それだと思う。

*1:出版産業の議論は、コンテンツ産業論の基礎になる視座を多く含んでいる。華々しい放送やネットの論議にだけ目を向けるのは、よい態度ではない。

*2:何が巧いって、ここでは言えない。ただ、とても巧妙だ。良い意味で。

*3:どこかの業界のト○ソー○のように、失敗してビジネスモデルは変わらないことのアリバイになることが目的だ、ってぇなことはやってはいけない。

オーマイニュース全面リニューアル

 オーマイニュースが看板を下ろすとか。まぁそうだろうな。
 オーマイニュースには少し想い出があって、2006年の秋、スタートアップ時に天秤の研究室が主催になってオーマイニュースを考えるイベントをやったことがある。その際に、すでにブログが一般化し、また韓国と全く政治土壌もことなる日本では、オーマイニュースのビジネスモデルは立ちいかないという議論をした。それが現実になっただけだ。
 個人的には「市民メディア」という言葉と考え方に大きな疑問を持っている。
 それが「マスメディア」の対立概念であることはいうまでもない。オーマイニュース立ち上げ時の議論を参考にすると、だから人々が発信する情報による信頼あるメディアを作るのだ、ってなことになる。
 だが、「マスメディア」の対立概念は「人々の発信の総体」である。そこには編集や、品質保持といった「管理」は入る余地がない。言い換えれば、「市民メディア」というのは、人々の書き込みの上にもう一つのマスメディアを作ろうという運動に見える。「市民メディア」は「第二マスメディア」なのだ*1。マスメディア間の、或いはメディア人の内ゲバに、一般書き込み人が巻き込まれているだけだと言っても良いかもしれない。
 だいたい「市民」ってのが古いよね。すごくフランス革命的で、西欧の革命主義、政治論の臭いがする。
 天秤が大衆文化を愛する理由は、大衆のごく動物的な嗜好が、そうしたイデオロギー的なるものまで消費対象として越えていってしまうところにある。「市民」とか言ってマスメディアのカウンターを気取るような思想運動は、大衆からすればチャンチャラオカピー音頭なのである。
 オーマイニュースは、消費対象にすらならなかった、といってもよいのだろうか。

*1:よく考えたら、だったら2ちゃんを元ネタにする「今日の2ちゃんニュース」みたいなヤツを作れば良かったのにね。自動編集型の2NNじゃなくて、責任編集制にして、2ちゃんの書き込み以外の派生したブログネタなんかも交えた。それってネタリカ?ってなツッコミはさておいてさ。

北京五輪で小倉優子が配られたらしい

 北京五輪で配布されたプレスキットの中の携帯ラジオ。五輪シールを剥がすと、そこにはなぜか小倉優子の写真が!
 はい、ここでAVILLAさん*1に天秤からお薦め。
 ここは一つ、小倉優子に<北京オリンピック「裏」公式アイドル>*2という称号を名乗らせてはいかがでしょうか?
 どうせ肖像の利用料はとれません(だって、シールで上から見えないようにしてあるので、商品の一部とは言えないでしょう?)から、こういう使い方はいかがでしょうか?






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*1:小倉優子の所属事務所

*2:北京オリンピック影の公式アイドル」とか、なんでもいいですよ。