日々是雑感
話題、1。 男らしいと言うこと。それは、有言実行*1。OperaのCEOであるvon Tetzchner氏が、公約通り、ノルウェーから米国まで大西洋を泳ぐ旅に出た*2。自信はないが、言った以上やる、という精神は、ばからしいが、凄い。
だからこそ言う。
頼む。死ぬな。お前のような漢を、俺は失いたくない。
話題、2。もう20年以上のアップルユーザーである私*3には辛いことだが、最近の一部幹部はiPodとiTunes Music Storeの成功に切歯扼腕し、日の丸製品による捲土重来を期しているように見えた。
やや近い文脈なのだが、最近、「ものづくり」を見直そうという動きが強い。その背景にあるのも、日本の「強み」としての製造業に対する期待である。そして、日本の製造業の特徴を「摺り合わせ」と分析し(その対概念としてあるのが米国や韓国などの特徴とされる「組合せ」である)、日本製品の作り込み文化よマンセーと叫ぶのである。
日本の政府なのだから、日本製品よ売れろと期待すること自体は間違いではない。しかし、日本の製造業の比較優位を、そうであるがゆえにマンセーと叫ぶのであれば、それは「うちの子は世界一ざーますのよ」という盲愛型大本営発表に過ぎないだろうか?
慶応大学の国領二郎教授は、携帯電話など成功した日本製品*4について「組合せなんだけど、摺り合わせ的な作り方をする」と指摘する。マッキンゼーの名和氏は「オープンな摺り合わせ」と語る。いずれも、「基本は『組合せ』なんだけど、製品の付加価値としては『摺り合わせ』の強み」と言っているように思える。そのこころは、日本の製造業の強みはそれとして、反省すべきところ*5は反省しようよと言っているのだと思う。
そういう目で見ると、iPodは実に誉めるべき点が多い。日立GS製の薄いHDDユニットとかをグイグイ詰め込んで小型化し、それを燕三条のスプーン技術の応用である背面の鏡面加工の筐体でくるむとか。なんだかノートパソコンにとってもよく似ている*6。誉めるべきものは誉める、という態度は重要だ。我が子かわいさで他人の子を誉められないというのは誉められた態度ではない。
そんな中、SonyのフラッシュWalkmanがiPod Shuffleを週間売上で抜いたという報が出た。僕が見ても、確かにSonyのフラッシュWalkmanはよくできている。それはそれで素晴らしいのだが、僕は、これで少しはアップルを誉める余裕が生まれることを期待している。
話題、3。早耳ムスメネタです。Julianaの声がくぐもっていて、アクセントの正誤以上に聞きにくいのは辛い。早耳ムスメはモデルからリクルートしているのですが、やはり確率的に声質やトークに難がある人が多いですな*7。トークは慣れの問題でもあるので、テレビ番組ですから、やはりクリアな声質の方にもっと出てほしいですな。
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*1:いや、別に女らしいのでもよいが。と、有言実行三姉妹・シシュトリアンは主張しておられる。
*2:http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2005/04/25/7427.html
*3:初代の愛機であるApple][ j-plusは、未だに実家に鎮座ましましている。余談だが、後にMac上で実行したエミュレータの方が実機より遙かに早かったことは、僕に時の流れとは何であるかを教えてくれた。
*4:海外に輸出もできない携帯電話は成功した商品の内には入らないと指摘する向きもあろう。しかし、日本の携帯電話はハードウェアとしては多機能化、小型化、長時間利用などの面で世界をリードしたのであって、ただ通話方式の違いやビジネスモデルの調整が付かなかっただけの話だと僕は考えている。
*6:そういえば、ノートパソコンは日本製が世界的にシェアを持つところだよね。
*7:裏返せばそこに難がない人はモデルではなくタレントになっているからだ、という考えも成り立つかもしれません