日々是雑感

暑い一日だった。友人の結婚式に出てきたのだが、出がけに突如「おしめ変え」という仕事が降ってわいて、あやうく遅れそうになった。彼とは「国際政治研究会」というサークルで一緒だったのだが、そこの同輩、後輩たちも数人来ていた。そこにはかなり甘酸っぱい想い出があって、友人のことより、自分のことを思い返していた。でも、式自体、とても個性溢れるゲストからの際どいコメントが続く、とても面白いものだったのだが。予想以上だぜ。ぐっじょぶ!




話題、1。妻からの通報。仮面ライダー555の「スマブレのしゃっちょさん」こと村井克行さんが、またもやIT企業の冷酷な社長さん役でCX系連ドラ「ヒルズに恋して」・・・じゃなかった、「恋に落ちたら」に出ていたらしい。藤田まことさんの中村主水とか、役者が一定の配役に縛られるケースは多々ある*1が、役そのものではなく、役の特性に縛られるというのは珍しい。よっぽどはまっていたんだろうか。でも、どうせだったら、東映に仁義を切って、そのIT企業の名前を「スマートブレイン」にして、そいで役名を「村上峡児」にしたらよかったのに*2



話題、2。今度は崎山せんせいのトラックバックがあった。学生時代からつきあいのあるせんせいなので、嬉しくて反応してしまう(笑)。以前も書いたが、コピーライトとコピーレフトを比べた場合、コピーライトの方が僕は優れた制度だと思っている。その方がより多くのインセンティブモデルが実現可能だからだ。同じように、流通端末もバリエーションがあってよいと思う。その上で、ここは僕の趣味かもしれないが、どんなコンテンツがどんなインセンティブモデルでどんな流通に乗るかは、市場が決めればよいと思う。あるコンテンツ種において流通路が多様化した場合、当初は既存の流通路に固執していても、一定の時間スパンで見れば、いずれ消費者が選んだ流通路に移動してくるのが業界である。裏返せば、流通路の多様化を進め、維持すること、そして独占禁止法の観点から事業者のビヘイビアの申し合わせをさせないこと(そして横紙破りをempowerすること)が市場選択重視型産業政策だということになる。
 さて、ここで消費者団体の話なんだけど。消費者団体を入れて議論をして、法制度で固める問題ではないと思う。僕の偏見かもしれないが、とにかく安く、或いはロハにしろ、という主張をされると議論は混乱するばかりだ。米国FCCの地上波デジタル放送用コピー防止フラグが裁判で否定された事案は、消費者の反対と見るべきではなく、判例要旨を見る限りだが、保護するのは流通路への投資の裏返しであり、地上波放送は自然に流れる電波を使っているので、放送設備を持っているくらいでは保護すべき投資とは言えないと言っているように思える。まぁ一つの解ではあると思うが、個人的にはフラグを認めた上で、フラグの活用について独占禁止法の観点から業界統一行動にならないよう監視するというテモあったのではないかと思う。
 僕は、貨幣であれ何であれ人はそれぞれの価値観における満足最大化を狙って行為をすると思っている。もちろん、コピーレフトパブリックドメインのような満足最大化モデルもOKだ*3。そもそも、国家がコンテンツの価格を決めるのはかなり危険な発想だと思うが、コピーレフトはその一種だ。消費者団体の名を借りて、フリーライドを正当化しろと言う人*4とは、どうしても距離が出てしまう。消費者団体が、国にフリーライドや価格引き下げをさせるのではなく、市場という闘技場で闘うために国に選択の余地を確保させようと議論してくれるなら、とても歓迎するのだが。
 市場は消費者と供給者の戦場だ。国はどちらにも与するべきではない*5



話題、3。Apple II 1976-1986*6を読んでいる。なつかしい気分になる。256バイト、あるいはBASICの1行プログラムなどを競っていたころが思い出される。今、コンピュータのプログラミングではこうした美しさや作り込みはあまり重視されていないと聞く。最近、ある事業をしていた時、専属のSEに開発したシステムのソースについてドキュメントはついているか聞いたところ、ドキュメントがないというので付けてくれと言ったら、別料金を請求された。こんなことが横行しているのだから、多分コードもスパゲッティになっているんじゃないかと危惧する。C、或いはC系の言語は、自由度はあるが、その分だけきたないプログラムも書けるということだ*7。プログラムの社会的開発効率を考えると、ドキュメントは必須なんだが。いっそ、プログラムに添付すべきドキュメントをJIS制定して、きちんとしたドキュメントを付けることをクライアントとしての国は強制してもよいと思う。あ、CとかFortranCOBOLなんかに比べて、Pascal系みたいに読みやすい言語で書かれたもの*8はドキュメントの一部を省略するのでもよいと思うが。もちろん、発注側が十分な知識を持ってSEと交渉するなら、そんなお節介をする必要もないのだけど。



話題、4。iPod対応カーナビが相次いで発売される中、まだiTunesミュージックストアJapanは始まらない。もし始まったら・・・多分、僕の音楽支出は増えるのだろうな。だって、谷山浩子中島みゆき山本正之といったアーティストのCDは買うだろうし、その上で、CMなんかで聴いた曲を買うだろうから。なぜか昔からCDは借りないんだよナァ。だから、早く始めておくれ、アップルさんよ。値段が200円/曲でもいいからさ。



 それにしても、我が親元・経済産業省は不祥事続きだね。胸が痛いよ。



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*1:これを「イメージ財はコンテンツに依存する」という。

*2:そうしたら、授業で触れるべき事例なんだけど。

*3:そうでなければ、こんなブログに書いたり、コミケに出たりするものか。

*4:クリエイティブコモンズの一類型として「改変するなら許諾いらない」という不思議なものがある。これは、創作行為の中に引用、加工といった要素が強くなってきたことを踏まえ、創作を支えるための措置として、こういうやり方もありますねというのものだ。裏返せば、それが単純なパブリックドメインではないというのは、単なるフリーライダーは認めないという趣旨だと思う。創作に貢献しない、単なる利用者は、何らかの対価を払わねばならない、という考えはそこそこ共感を得られるのでは?と思うのだが。

*5:バランスをとるためにどっちかにある時味方するというのはあると思うけど。

*6:毎日コミュニケーションズ

*7:Real Programer Don't Write Pascalの中で、Cだけは真のプログラマに認定された言語だったのを思い出す。キッシュイーターで悪うござんしたな!

*8:読みやすいといっても、他人のプログラムを読んで理解するのは、まったく目新しい法制度を法文読むだけで理解するのと同じくらい骨の折れることなんだけどね。