日々是雑感

久々の更新です。コミケの原稿アップ*1、出展準備にお台場突撃と、はっきり言って死んでました。と、言い訳。体力問題ですかね、頑張れ37歳!と自分を叱咤しながら、やる気と書く気を鼓舞しつつ。



話題、1。「恋のマイアヒ」がオリコン週刊洋楽アルバムチャート1位獲得!これはね、ネタとして最高ですよ。はっきり言って。でも、突っ込む前に、本当にこの歌は面白い。なんかはまるわ。ホント、いい!
 こういう空耳、フラッシュ、メジャーとの結合(このBlogの画像参照)、流行というモデルを「電車男」ということばで表現するのは、イメージの貧困か、それとも企業戦略なのか*2。ねぇ、CX笠井アナ!
 で、ツッコミどころ。
 最近、ドワンゴのCMとか、モナーがいろんなところに進出してますが、ここでもモナー爆走です。2ch系のキャラというとどうしてもタカラギコネコ事件が連想されるけど、あの反応が囲い込みに対する反発であって商業利用に対するアレルギーではなかったことが証明されてきましたね。タカラは商標登録しないで使えばよかたのにねー。というのがひとつ。
 次に、キャラクターといえば、業界で有名なリーディングケース、サザエさん事件。ところが、見よ、このフラッシュでは波平さんが使われてますね。長谷川町子財団の動きが気になるところですが、このくらい笑って許して欲しいですね。ここに怒鳴り込まれると、けっこう笑えないですね。というのが二つ。
 そいでもって、こういう空耳の著作権処理ってどないなるねん、というねたを駒込に向かって叫んでみたりして、の三つ。
 ビジネスモデルもツッコミどころ満載、しかもヨーロッパで本当にヒットしてたりするからすごい。知財ネタもごっそり。コミュニティ論的にもうまー。というわけで、当分これの論評でネタがつきない予感であります。



話題、2。今更ではあるのだけど、iTunes Music Store for Japanにはびっくりした、ということ。まぁ確かにいつもながら禿*3のスピーチが素晴らしかったことはさておき、というか禿に落語を紹介させるというネタが素晴らしかったことはある。しかし、iTMS-Jの意義は二つある。
 一つは価格構成をダブルプライスにしたこと。体験財であるコンテンツはそれほど価格分散しないわけだが、だからといって大昔のように「LPはおしなべて2800円」というわけにもいかないというところで、ある種の価格ポリシーを自由化する動きと見ている。ついでに言えば、音楽の価格というと、再販制と輸入権の問題があるのだが、これが再販制をある意味では強化し*4輸入権を現実に固定するものだ*5ということは付言しておこう。
 二つ目は、アルバム購入者への特典PV提供のデモをしたこと。これはiTMSによる動画配信の可能性を、その全画面再生というおまけ付きで、見せてしまったことになる。もちろん、その先の未来は、Podcastingの動画版、言うなればVideocastingへと通じている。これが単品消費とたれ流し消費という映像消費のこれまでのパターンに新しい形態を加えたものであることは、勘のよい人は気がつくだろう。iPod Videoが発表された時にその意義は明らかになるのだろうが、コンテンツ産業関係者は準備をするべきだ。じゃあお前にビジネスモデルのアイデアはあるか、といわれたら、コンテンツ毎広告モデルと有料モデル以外に確信が持てるものがあるわけではない。現段階では。残念ながら。
 でも、この二つのインパクトは驚異的に大きい、と思うぞ。



話題、3。コミケの前の週末ですが、世界コスプレサミットに行ってきました。いやぁ、すごいもん見させてもらった。優勝したイタリア代表ベッキーニさんの「妖鳥シレーヌ」は絶品でしたね。頭の後ろに少し支柱が見えるとか、足下がチャチいとか、もうどうでもいいです。最初のインパクトでもうKO!
 ただ一つ、気になったのが、日本のコスプレイヤーの質が低いこと。僕はコスプレは素人ですが、登場した日本のコスプレイヤーには一定の傾向がありました。それは妙に舞台慣れしていて、観客に対して注文が多く、自分の芸がさほどうまいわけではなく、あとこれはいちゃもんかもしれませんが、自分の容姿に見合ったコスプレをしていない。なりきるのはよいですが、鑑賞対象としての完成度が低いので、頑張っている姿そのものを鑑賞する態度を持たないと、けっこう辛かったですね。破李拳竜の時代から、コミケにはコスプレショーがつきものですが、コミケはそれ自体が祭りなので、中身がアホでも客はつきます。そのノリで一般ショーをやると、けっこう辛いモノがあると思うのです。要は、滑ってしまう、と。本人はなりきり空間に引きずり込まれているのでよいでしょうが、見てる側は、イタい。そういう時には、観客を「おおっ!」と思わせるためには、自らの踊りとか歌とかだけはうまいとか、コスチュームは圧倒的に美しいとか、なにかがないといけない。基礎力の強化を心から期待します。だって、一本木蛮ちゃん*6の昔から、この国はマンガ、アニメのコスプレの発祥の地の一つ*7なのですから。



話題、4。打ち水っ娘大集合というプロジェクトがあることを聞いてびっくりした。地球温暖化対策・チーム6℃による打ち水大作戦の一貫なのだが、マスコットキャラは「2℃ちゃん三姉妹」、アキバでコスプレっ娘集めて打ち水やろう・・・とか、真面目に環境省国交省がやってるようでビックリ。ま、自分もモー娘。と経済産業副大臣を握手させた張本人だから、他人のことは言えないが、それにしてもねー。



話題、5。8/14コミケ参加プロジェクト終了。今年は慶応メディアコムの学生が4人参加してくれて、雇われ店長付きのオーナー状態でした。お買いあげいただいた皆さん、売り子をしてくれた学生の皆さん、ありがとうございました。それにしても、今年の評論ブースはやおい系の方々と混在というすごいことになり、エロ系と混在の例年ならむくつけきヲタク男集団に囲まれるところが、腐女子の皆様方といっしょという、一応男性としては嬉しい状態でありました。でも、やおい本に列をなす腐女子の中にちらほら見えるヲタク男*8は一体どう理解すればよいのやら・・・。



残暑モードに突撃ムードのこのごろ、メインマシンのiMacG5 20"Cinemaの調子がとても悪くなり、困ってシマウマ状態であります。なんとかしなければ・・・。やはり、今年の夏は一味違う。



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*1:この時期なのに中4日で軽印刷であげてくれるありがたい印刷所がパートナーなので、ギリギリまで引っ張れました。でも、カラーのきれいなものは無理だけど。

*2:ご承知のように、電車男プロジェクトは、映像化部分はCXが中核であります。

*3:2chの伝統に倣い、親しみを込めて Steve JOBS 氏をこう呼びたい。私は彼が大好きだ。Wozの次の次くらいに。

*4:このように直販型にするとモノ経済的価格調整メカニズムが丸ごと無効化されるので、なんだか逆説的だけど、再販制を「生産者(狭義の生産者と卸流通業者が融合したものとしての)が価格を一方的に決定する行為」と定義すれば、再販制は正当化され、その分だけ強化されてしまうんだよな。本来価格が硬直することは再販制云々の問題ではなく、たった一人の供給者だから多数の需要家と交渉なんてしないよという、両者のミクロな非対称性から生じるものだった。むしろモノ流通のメカニズムの中で、流通業者が消費者の代理人的立場で交渉役として機能することで、価格がミクロに調整されうるという事態になっていたわけだ。再販制はその消費者の代理人的立場を流通業者から奪っていたので問題なのだが、今度はその存在そのものが否定されてしまった。そうすると、消費者が「もっと値下げすれば買うんだ」という意思表示を圧力的にできないと、供給者は価格を下げないということになる。それがプラットフォーム毎の競争で起きるとするなら、消費者はそれぞれのプラットフォームに札を貼れよということになるので、現実的ではないと思う。小売事業者の穴を埋める消費者からの意思表示代理人をどう作るか、タマはリスナーの側にきた。

*5:iTMS-Jはビジネスとして市場を分割している。米国、欧州、日本では価格が違う。クレジットカードの発行地を見るようなゆるやかな方法ではあるが、日本に生活する人は、米国のiTMS-USから音楽を購入できないことによって、日本という市場で活動するよう縛られている。これが輸入権の思想だ。以前だいぶ叩かれたし、今でも叩かれるんですが、アップルも叩かれるのかな?

*6:実物を拝見したのは、もう20年近く前のふぁんろ〜ど編集部以来なので感動しましたが、相変わらずお美しいのはさらに感動×感動ですね。

*7:やっぱりもう一つの発祥の地は、SF系コスプレのふるさと米国ではないかと思うので。

*8:隣のブースのお姉様方は、腐女子のパシリじゃない?とおっしゃっておられましたが、正直言って、やおい本を買ってこいという腐女子はよほど美人か何かでないかぎり、彼女にはしない!例えばロリ本を買ってきてと亭主に言われたらどうする!といってお姉様方には納得して頂きましたが。