日々是雑感

夜が来て、本格更新するである。今、日本に紀里谷さん*1が来ているのだが、久しぶりに昼飯を一緒に食べる。っつーか、本当に1年以上ぶりなんだけど。それにしても元気で嬉しかった。同世代が元気であがいているのに触れると、元気が出るっつーか、負けてらんないっつーか。立場は違っても、よいエール交換である。こういう交わりがあるから、明日も元気に仕事ができる。




話題、1。友人から会社作りの相談を受ける。昨年まで映画祭事務局にいて実感したが、本当に組織作りは難しい。形を作るのは簡単でも、本当の組織はなかなかできない。だって、このご時世、組織に忠誠を尽くすなんてことはありえないわけで、組織は個人同士の打算と取引関係の結果として存在する。だから、組織論をぶっても、動く組織にはならないのだな。日本が豊かになったからか、札びらで頬をはたくようなリソースなどどの組織も個人には割けやしないから、畢竟、理念とか、男っぷりとか、ものすごくメンタルなところで繋がるのが組織の基礎となる。人材には尊敬の念、実質的な資源配分、形式的な待遇の三点セットが大事なわけで、それをやらないでおくと、だいたいの場合、人材は逃げるか離反する。大きな組織ならいろいろ配分できるのもあるんだろうけど、小さい会社作りなら、やはり理念とか男っぷりとか仕事自体の楽しさとかしかないかな。組織作りは難しいよね、って相談を受けながら、若いもん達で頷き合った次第。



話題、2。Appleのイベントに行く。そうか、iPod nanoだったかー*2。個人的には、iPod Shuffleは不便さを主張として押しつけられている感じがして*3なんだか「違う」と思っていたので、これこそがFlashメモリ版iPodの本命という感じがして、納得がいく商品だった。たださ、日本であんな発表イベントするなら、モトローラの携帯だけじゃなくて、日本の携帯電話のソリューションも準備してから発表して欲しいんだけどなぁ・・・って、Appleの人に言ったら、「そうですねぇ」といわれた。「そうですねぇ」じゃなくて、頑張れ、Apple



話題、3。調子が悪くなったiMacG5が修理に行ってから、ほぼ二週間。後で気がついたのだが、iMacG5ってリコールプログラム*4が発表されてたのな。よく見たら、それに中ってたわけ。ドンぴしゃ。初めてですよ、リコール対象品。ソフマップ保証も入っていたので、家まで撮りに来てもらって送り出したんだけど、早く帰ってこないかなぁ。やっぱ20"シネマはいいですよぉ〜。



話題、4。「なみおか映画祭」が、ロマンポルノの映画を上映したということで市の教育委員会から援助を受けられなくなり、今年で最後になってしまうのだそうだ。無粋なり。ロマンポルノに名作もあれば、東宝東映、松竹やハリウッドの大作にも駄作あり。物事が良いか悪いかは、そのモノ自体をによって決めるべきで、それ以外の何ものにも左右されてはならなないと思う。少なくとも、援助打ち切りを決定した教育委員会はその上映する映画を見てから決定を下したのだろうな*5。まったくばかげた話だと思う。やや偏見でよくも知らずにいうが、こういう土地では、「文化」とは、西洋由来のハイカルチャー、日本の伝統文化、地元の伝統行事、そして地元のカラオケ大会と思われているのではないだろうか。そんな「哲学のライオン」みたいなことして*6鹿鳴館時代じゃあるまいし、お里が知れるというものだわさ。文化庁は、支援の意志を明らかにしているそうだが、「本業=ロマンポルノ映画評論家、副業=役人」といわれる(笑)寺脇文化部長ならではの映画に愛ある判断だと思う(拍手)。もう一度、「文化」とは何かを考えるべきではないだろうか。




ま、「万機公論に付すべし」、の精神で頑張るぞ。



.

*1:キャシャーンの監督な人。年齢が同じということもあって、たまに会っている。

*2:そういえば、巷の噂には、携帯対応、動画と並んで、というかそれ以上にflash化というのもあったな。産業的には重大事だろうが、ユーザーとしてはぜんぜん重大事ではないので、頭からスコーンと抜けていた。で、flashかー。って感じ。

*3:液晶ウィンドウがなくて曲を選べないってのは、やはり不便だ。それをShuffleという聴き方の提案と言われてもね、ってこと。別にShuffleで聴きたい時は液晶画面見ないで聴くだけなんだから、Shuffleでしか聴けないものを売られても、やっぱ押し売り的に感じる。

*4:Appleでは「リペアエクステンション」と呼んでいるが、まぁリコールである。

*5:こんな話に出会うと、かつて映画「バトルロワイヤル」を見もしないで、こんな俗悪映画をなぜ公開するのかと国会で糾弾し、それどころか国が映画の検閲をすべきだなどと仰った某議員を思い出す。

*6:私が中学入学の時に、確か過去問かなんかで見たのが「哲学のライオン」。「哲学ってなに?」「哲学って、きらきらしていて、おっきくて、とてもすばらしいものなの」(記憶で書いているので違うけど、まぁそういうこと)って行が頭に残って離れない。よく知らないことはよく知らないといい、浅はかな知ったかぶりはしない、ということ。或いは、物事の意味を語るのは本当に難しいのだけど、それを知らずに発言する愚かさにも陥らず、難しいから語らないという臆病さにも負けず、難しさを知って常に思い返す態度をもってなお果敢に発言すべきだという風に深読みもしたりして。