日々是雑感

 急に寒くなるもんだから、風邪気味にもなるわいな。せっかく退院した我が息子は、今度は風邪を引いて病院に行った。昨日はTokyo Asia Music Martketのウェルカムパーティに行ってきて、旧知の人々と会えて嬉しかったのに。ま、何にしても、こっちは窮地なんだが。



話題、1。書き漏らしなんだが、iTunes Music Storeの動画配信について、いくつか書いておこうと思う。あまり話題になっていないけど、僕が注目しているのは、iTunesクライアントが動画をCD-R、DVDには焼けないようになっていることだ。以前、iPodへの私的録音録画補償金の賦課の是非を自分なりに書いたところで、iTunesプラットフォームの最大の問題は音楽をCD-Rに書けること、そして書けないようにはできないことではないかと書いた。だからこそ、映像配信プラットフォームとしては、Non-DRM(或いはDRMがあっても破られてい意味を失っている)メディアに焼けなくなっていることは、とても重要だと思っている。映像配信プラットフォームとして、iTunesはDVDからの吸い出しもできないから、完全にiTMS配信と(自分でエンコした)動画のみを扱う、いわば閉じた配信システムになっている。基本的には僕はストリーム配信によるサービス型、利用毎課金を提唱するのだが、これはちょっと書生的というか頭でっかちに過ぎるとは思うので、アップルのNgさんのコメントにも理解を示した上で、これでいいバランスになっていると思うのだ。だから、私的録音補償金はさておき、これで私的録画補償金をかけようというなら、結構俺は怒る。



話題、2。先日、Hotwiredの第三回をアップした。中身は読んでのお楽しみなんだが、その中で、報酬請求権を法的に規定するのは立法技術的にできない、と書いた。これは、報酬を市場で決定するためにはそもそも許諾権を付けねばならないというパラドクスを指しているのだけど、書いた後で、本当かなぁ・・・と、ずーっと頭をひねっていた。それで一つ提案なのだけど、今後新しい権利を法律で付けようとするときには、その予定権利者が含まれる業界が「だいたいこういう料金水準(許諾条件)で許諾します」ということを予め宣言し、その内容を見ながらパブコメとって、それでOKだったら権利付ける、という風にすればいいのではないか?と思うんだけど、どうだろうか。あんまりひどいウソついたらエストッペルで無効にする・・・とかいう暴論を吐くと、法律に詳しい方々にボコボコにされそうなんだが、そういう心境はわかって欲しいものよね。



話題、3。中国軍、沖縄に侵攻!という悪ふざけがネット上に流れる。いや、これは悪ふざけ。全くもって質が悪い。でも、まぁ、あながち全くウソとも思えないというと中国の方は怒るかもしれないが、少なくとも僕はあながちウソとも思わない。それはけして中国が好戦的だというのではなく、中国という国はそれだけ世界の超大国として周辺異民族に恐怖を与えるということと、歴史的に中国はそれだけ周辺異民族の土地を攻めて*1勝ってきた*2ということだ。何も、今、本当に攻めようとしている、好戦的だというわけではない。こういうと、今の中国は周辺国を攻めているわけじゃないではないか*3、というかもしれない。いや、日本も今は周辺国を攻めているわけじゃないのよ。だから、日本に怒るなら、周辺が中国を恐れることも理解してくれないとだわ。



話題にするか、最後に書くか迷ったんだが、夏以来、日本で最高のパロ動画ではないかと思っていた「サザエさん for iPod」の動画サイトがようやくみつかったので、リンクを張っておこうのまネコ動画でも、「波平、素手、大きい笛入れ」のところで出てきた波平さんを長谷川町子財団は何も問題にしていないようなので、この「サザエさん for iPod」もきっと黙認して貰えるだろう。
それにしても、「きっと黙認して貰えるだろう」みたいな、淡い期待にすがって再創作しなくてはならないような方法について考える時期だと思うんだが。ま、それはいずれ。





.

*1:中国で実際にあった会話。「中国は外国を攻めたことはない。周辺異民族にむしろ侵略されてきたのだ」「日本は忽必烈汗の侵略を受けたが」「あれはモンゴルだ」「そうか。では、モンゴル人は中国人ではないのだな?忽必烈汗は中国の皇帝ではないのだな?」「いや、忽必烈汗は中国の皇帝だし、成吉思汗は世界最大の版図を支配した中国の君主だ」「じゃ、中国は日本に侵攻したのだな?」「いや、あれはモンゴルだ」「・・・どっちやねん!」

*2:いや、負けることも多かったんだけど。

*3:チベットが周辺国なのか/だったか、攻めたのか/救援したのか、というのは面白いネタだが、他人(ひと)にまかせよう。陳腐だし、議論の実益がない。