日々是雑感

前置き書いている時間がないので、前置き無しでレッツゴー



話題、1。堀江さん、タイーホ。宮内さんも逮捕された。別に友人というわけでもないが、どちらも1,2度会ったことがあるので、顔見知りではある(あっちが覚えていればね)。そういう人が逮捕されるのはそうあることではないだろうが、何とも言い難い感じだ。僕の勤める経済産業省は、昨年、株売買がらみで幾度かスキャンダラスな目にあった。株式は、経済官庁の役人が言うのもなんだが、怖いものだ。素人である僕は買ったことがないが、うん、多分、今後も買わない。
 それにしても、今回の事件に関するマスコミの反応は、ある種ヒステリックで、ある種冷静だ。ヒステリックというのは、一斉に始めたホリエモンバッシングのことだが、それは堀江さんがマスコミにケンカを売ってきたのでしょうがないといえばしょうがない。マスコミは人を消費するから、上げ下げが本来激しいのだが、こうなればとことん下げられるだろう。
 ただ、冷静な部分は冷静だ。それは「株というものが悪いわけじゃい」「持っていて言い株、持っていては行けない株」「IT系企業だから全て悪いというのは言いすぎ」といった論調が主流を占めている点だ。その冷静さは、僕は肯定的に評価したい。
 僕の立場を言おう。以前も書いたが、僕はマルクスよろしく、実体経済の価値総量と金融経済の価格総量との二元論に立っている。そして、シュンペータよろしく、実体経済の「進化」をもたらすエンジンとしての資本主義に期待している。よって、実体経済を経由し、実体経済の効率化を促すところに金融経済の役割があるのであって、だから実体経済を経由しない金融経済の自己増殖を強く批判する。こういう問題意識に立って、実体経済を経由して資本増加を目指すような資本のあり方を産業資本と呼び、実体経済を経由せず資本増加を目指すものを金融資本と呼ぶ。そのワーディングにおける金融資本を排除し、産業資本に収斂させていくのが、正しい産業メカニズムだと思っている。今、あらゆるものが取引可能になり、商品経済の進展はどんどん進んでいる。その中で産業資本というあり方を推進していくことは、僕なりの価値観におけるグランドデザインに合致し、とりあえずよいことだと思っている。経済産業省の制度設計方針は、従来商品経済に馴染まなかったモノゴトを商品化するメカニズム*1を作ることだと思っている。
 今回の問題は、現時点において株式市場の制度がきちんと運用されていなかったことを露呈している。が、同時に、それを事後チェックすることはできたのであって、また問題点も見えているのであって、今後の改善が期待できる点も忘れてはならない。制度も進化する。今回のことに一喜一憂する必要はなく、再発防止のみを考えればよい。ライブドアの金融資本的性格は以前からよくわかっていたが、望むらくは、東証始め金融関係機関が金融の役割を理解し、産業資本のための市場整備を進めていただけますように。個人的には、株式の短期売買の制限をしてほしいと思うのだが*2



話題、2。年始にCX系で再放送された電車男を、一気に見ている。2chやコミケ、アキバを知っている者としては辻褄が合わないところが数多くあるが、まぁ別にそれはそれでよい。原作*3とあまりにも違う部分が多い、特に本人達の周囲にネットを見ていた人がいたというのは、ちょっとどうかとは思うが、それでCX系ドラマテク満載の小ネタが沢山見れて面白いから、まぁいいやと思う。今回、一番気になっているのは、そのBGMがあまりにも80年代チックだということだ。作っているのは同世代(30代後半〜40代前半)だろうか。と思って、やはり文化20年周期説*4は正しいか、と実感する。



話題、3。仮面ライダー響鬼が終了した。最後まで、煮え切らなかった。昨年の仮面ライダー剣ブレイド)は、あれほどヘタレた始まりだった*5のに、最終話で逆転満塁ホームランを打った。響鬼は、これまたヘタレた始まり*6だったが、今度は、最後までダメダメだった。悪役の目的も、何も開示されず、ボスキャラもカタルシスも何にもなし。途中から出現した性格悪いガキが、本音からの改心もないのにライダーになったかと思えば、最初から出ていた主人公はなぜか医者になろうとして終わる。基本的に、勧善懲悪にしろとは言わないが、人間の基本的な感動パターンというのはあるので、意味もなく視聴者の期待を裏切るのはやめて頂きたい。おまけに、最後のトークはとってつけたような感じで、必然性というか、説得力がない。まぁ総じて言えば、ヤマなし、オチなし、意味なし、という「やおいライダー」だったと言えよう。
 次の仮面ライダーカブトに期待!・・・していいのか?そういえば、第一期仮面ライダーシリーズの最後は、カブトムシだった*7よなぁ。ブレイドもそうだった*8けど、これが最後になるのかなぁ???ま、いいや。響鬼よりは良さそうだし、主人公の妹や、ヒロインもなかなかよさそうだ。



さてさて、それにしても、大きい組織は老化が進んでいるなぁと思うこのごろ。だからといって、跳ね返って、いい気になって、お金や信頼のジャグリングとかして、足をすくわれるのはゴメンだ。もちろん、大きな組織の安定の中に身を置くうちに、組織が誰のために如何なる働きをすべきかを忘れ、自己目的や保身に走るようになるのはもっとゴメンだ。あらえっさっさー。




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*1:例えば、環境貢献を商品とするための環境税なんかを含む

*2:株式の長期保有が義務づけられると、結局、企業の業績長期予測に基づくか、(経営権を握っての)業績改善をするとの意思に基づくか、いずれにせよ、相場で売り逃げするための株式売買はしにくくなる

*3:僕はリアルタイムで独身板を見ていないので、あくまで新潮社版ということだ。なお、繰り返すが、電車男は確かに面白いが、コンテンツ産業の研究家としては、本当に涙が出るのはその本文ではなく、奥付である。

*4:文化は20〜25年程度のサイクルで繰り返すという説。ある世代の文化は10代の内に確定し、彼らが30代、40代になって発信者としてその時の10代に影響を与えることで説明される。

*5:主演俳優の発音があまりに悪く、そのしゃべり方だけで数ヶ月のネタ(オンドゥル語)になった。

*6:いきなり、意味もなくミュージカルが始まった。

*7:仮面ライダーストロンガー。個人的には、電波人間タックルは初の女性ライダーだと思っている。

*8:仮面ライダー剣もカブトムシがモチーフだったのである。