仮面ライダーカブト、ついに最終回

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 我が家の日曜の朝といえば仮面ライダーカブトだったわけだが、それがついに終わった。実は平成ライダーを見始めたのは仮面ライダー龍騎あたりからで、全編をリアルタイムで見るのは仮面ライダー555からということになる。
 555は、最終回だけを見るとややぐだぐだだったが、全体としては仮面ライダーの王道だったということで、「秀作」。次の仮面ライダー剣ブレイド)は、それまで一年ぐだぐだだったが、最終回があまりにも凄くて、くやしいが、「傑作」。そして、直前の仮面ライダー響鬼は、コメントするのも嫌なくらいの「駄作」、という評価をこれまで出してきた。そしてカブトだが・・・


 評価は、 佳作 としたい。


 最終回もきれいにまとまっていた。正直言って、ガタックが送信室に入った瞬間にクロックアップして送信機ぶち壊せば終わりじゃんか、という気がしなくもなかったが、それはこのマンガを読んで納得したからいい。拙いパリの合成画面も、まぁ許しちゃる。たいがいの謎は解いてあるし、敢えて言えば、おばあちゃんは誰なんだよ!*1とか、地獄兄弟はどんな地獄を見たんだよ!とか、誰がホッパーゼクターを兄弟に渡したんだよ!とか、まぁこんなことくらいだろうか*2
 もちろん、こういう場合、本来なら「傑作」評価を出すはずだ。そうしたい。しかし、ただ一つ問題があった。カブトは、仮面ライダーに関する俺の定義から外れているのだ。
 仮面ライダーは、あくまで異形のヒーローである。クウガのように「異形?だから何?」って感じで明るく笑い飛ばそうが、ブレイドのように「俺は彷徨うよ!ひ〜ん!」と世をはかなもうが、それはそれ。世界を救った後にも、その異形を引きずって生きていく、これが仮面ライダーの基本プロットだと俺は思う*3。その意味では、カブトは・・・最後までフツーの人間なんだな、これが。天道総司自身がワームだったらまだライダーっぽかったんだが*4。第一、そういう意味ではネックレスでネイティブ化しちゃった地獄弟の方がライダーっぽいんだけど。でも、自殺しちゃったしなぁ(弱っちいヤツだ。怪人どもに復讎するために自ら志願して怪人もどきになったストロンガーを見習え!)。それに加賀見の不死身ぶりは絶対人間じゃない!と思ったけど、まぁ人間だと言うからそれでいいや。
 仮面ライダーではない!ということ、それさえなければ、途中の料理対決とかああいう冗長さは別として、基本的には良くできていたと思う。最終回も好きだった。なにより、岬さんがディスカビル家再興を目指しているのが良かった。神代剣君もレオパレス草葉の陰で泣いておろう。


 実は、そういう意味では、仮面ライダー龍騎もライダーの定義にははまっていない。あれも、「佳作」評価なのだ。まぁぼちぼち良くできたSFで、蟲毒*5を持ち出してきたアイデアもよかったし、第一、キャラはたっているし、楽しめたし。


 そういうことで、ちょっと傷が付いているが、まぁ実質的には「傑作」評価と同じだ。もう一度見直してもよい作品だった。名作の香りは、最終回まで漂っていた。スタッフにありがとうといいたい。




 でも、電王のメルマガ*6は速攻退会したけどな。


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*1:もはや仮面ライダーカブト最大の謎はこれだろう。ただ、なぜか、俺の頭の中では野際陽子なんだよなぁ・・・

*2:細かいことをいえば他にもきりなくあるが、本筋に関係ないことはまぁどうでもよい。

*3:かつて仮面ライダーは敵組織を壊滅させた後、さらに別の悪と闘うために去っていった。それは、異形であるが故に、闘いの場を求めさせざるを得なかったのだと僕は思う。その意味では、クウガのエンディングは衝撃だった。アギトも同様だ。555の場合は、主人公が程なく死ぬ運命にあるので、その設定は要らなかっただろう。ブレイドが去っていくのは旧パターンを踏襲したものだと、僕は思いたい。

*4:ただ、これほど大量に同じ境遇の人間が誕生すると、特別にライダーっていうほどのこともないな、って気になる。余談だけど、ネイティブ化しちゃった人はこの後どうなるんだろう?多分、不治の病扱いになると思うんだけど、医療システムは人間と同じでいいのかな?それとか、やっぱり、法律を制定して「変身罪」とか作って、特別必要とされる時以外ネイティブに変身してはいけない、とかいうことにするんだろうな。うまくやればむしろ公の利益にかなう時とかありそうだから、全面的には禁止しないようにしてさ。とか、考えると面白いよな。

*5:中国の呪術の一つ。壺の中に様々な毒虫を入れ、互いに殺し合わさせる。最後に残った一匹は蟲毒と呼ばれ、強烈な毒性を持つ。これを術者が呑んで自らその力を得るとか、それを使い魔のように使うとか、説はいろいろあるが、まぁそういうことだ。仮面ライダー龍騎では、妹に強い命を与えたい神崎士郎が、強く叶えたい願いがある人間をライダーをにして、闘いに勝てばそれを叶えるという餌で釣って互いに闘わせ、勝った人間の命を妹に与えるというゲームをしている、という全体の構成がこれをモチーフにしている。

*6:毎年、ライダーのメルマガは勝手に引き継がれてしまう。響鬼は最後まで受け取ったが、さすがに桃太郎電鉄は嫌なので、カブト最終回もらったあとに退会手続をしたということだ。