萌え萌え歓迎。でも、俺はさ・・・
その昔、歴史上9割以上の時間を先進国として過ごしてきた(けど今はキャッチアップ中)のお隣の国の偉いさんは「白い猫も、黒い猫も、ネズミを捕る猫はみな良い猫だ」と宣った。経済という思想を奉じる者としては、これはものすごくわかりやすいテーゼであり、僕も日々胸に刻んでいる。
で、昨日、asahi.comが「美少女『萌えキャラ』で若者呼び込め」という記事を載せた。コンテンツの外部経済効果はまさに人の行動に影響を与えることにあり、広告なんてまさにそれだ。こういう文脈からコンテンツ振興を論じたものに、観光振興の視点からのコンテンツ利用みたいなのがある。
で、今、外部経済効果といったが、これを巻き込んでビジネスモデルとして組み上げてしまえば、その効果は内部化されて、金銭化される。広告がビジネスとして成立する所以はまさにここにある。
外部経済効果としてコンテンツを捉えるか、ビジネスモデルそのものの拡大を通じて、それが内部化されることも念頭において、コンテンツの経済効果を狙うかは、経済政策としてとても重要なポイントである。かつてお役所で働いていた頃、職場の後任達にこの質問をぶつけたが、はっきりとした答えは返ってこなかったように記憶している。政策の具体策は、それではぶれてしまうだろうに。
リンクをたどってみると、同じasahi.comが萌え市場の市場規模が880億になると報じていた。こんな馬鹿な試算をするのは浜銀総研か野村総研だろうと思っていたら、案の定、浜銀総研だった。浜銀総研さんといえば、他にも「裏経済の市場規模」とか、とても素晴らしい市場規模算定をされるところですな。
経済産業省がもしコンテンツ産業の市場規模拡大で政策を打とうと腰が据わっているのであれば、ぜひ、浜銀総研さんとはお近づきになるべきですね。とても勉強になると思います。
逆に、もし外部経済効果を狙うのであれば、はやくマスコットガールキャラを作るべきですね。「METIタン」とかいって*1。
でも、もし経済産業省が経済を奉じる役所であるなら、市場規模論がお薦めなんだろうな。
「萌え」であろうが、「自動車」だろうが、GDPに貢献する産業は良い産業なのであります*2。
・・・でも、僕は「萌え」より、「燃え!」の方が好きですが。
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