衝撃。
植木等さんが亡くなった。
スチャラカと無責任を世に広めたこの男が、人一倍仕事には真面目であったことはよく知られている。
「人生で大事なことは/タイミングとC調と無責任/とかくこの世は無責任/コツコツするやつぁご苦労さん!」
これは真面目すぎる責任感ゆえに到達した境地としての無責任、なのだろう。
真面目であるからこその不真面目。究極の不器用さがある種の器用さになる。私にとって、植木等という男は、別に個人的に知り合う機会もなかったのに、とても大きな存在となっている。
オヨビでない奴!という作品がある。三代にわたるスチャラカ男が登場するその作品で、植木等が祖父、所ジョージが父、そして高橋良明が主人公であった。その後、高橋は夭折し、この三代をとても好きだった私は、平成のスチャラカ男が逝ったことに涙した。植木等さんが、それから20年足らずで世を去った。
後を託された所ジョージには是非頑張ってもらいたい(適当に)。
不真面目な真面目さが蔓延する時代。真面目な不真面目という誠意が、欲しい。少なくとも、僕はそうありたい。偉大なる真面目人間への哀悼の涙と共に、今は前進するときである。
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