1月26日のシンポジウムについて

 長い間、ブログ更新をさぼっていました。某団体の研究会の報告書と、表題にもあるシンポジウムと、まぁ諸々被さって「そんなことやってる時間ねーよ!」状態になっていたせいなんですが、それも終わって、少しまた〜りと1日を過ごして、ふと気付くと、また次の原稿&企画が!!!!!
 ・・・状況に進歩無ぇじゃん 工エエェェ(´д`)ェェエエ工



http://japan.cnet.com/story_media/20365967/P1010020.jpg
 ま、それはさておき。シンポジウムの件です。
 ITmediaとか、いくつかのネットメディアでも報じられましたが、1月26日に早稲田大学デジタルソサエティ研究所で、「コンテンツ振興のための次世代制度を考える」というタイトルでシンポジウムをやりました(告知ページはこちら)。御登壇いただいた方々には、まずもって御礼申し上げます。特に、北海道からわざわざお越し頂いた島本和彦先生には、いちファンとしての畏敬も込めて、心からの御礼を*1。また、いろいろ不調法がございました点は、お詫び申し上げます。
 このシンポジウムは、主催者としても予想もしなかったほど反響があり、驚いています。パネラーの方々はどなたも誠意と勇気をもってお話しいただきました。シンポジウムですから、全ての言葉はそこで手を離れて観客のものになるのだろうけれど、できることならそういう発語者の誠意と心意気を踏まえ、発展的で暖かい反応が広がったらよいと思っています。



 このシンポには、東浩紀大先生もご反応いただいてますね*2


 著作権(あ、「結論めいたこと」が#1で止まってた。来週、再開します)の話はさておき、コンテンツ産業についてなんですが。
 これははっきりさせておきたいのですが、コンテンツ産業というのは、コンテンツの経済効果のうち、ごく一部の内部化できた部分の姿なわけです。コンテンツ行為とでもいうべき活動は本当に幅が広く、そのほとんどは金銭をからませることができない状態にあります。東ブログ渦状言論でも指摘していたように、コンテンツ産業の市場規模が、そのコンテンツ行為としての存在感に比べ、異常に低い理由は、そこにあります。


 コンテンツ行為には、それ自体が持っている閉じた意味性と、それが例えば商品の消費誘因・拡大効果を持つというような外に向かった意味と、両方を見出すことができます。それをどう評価するかという問題(第一問題)。
 コンテンツ行為には、それが専業の人間、もちろん、クリエータを含むんですが、そういった人達に担われている/担われていくという問題があります。そこには当然彼らの食い扶持という意味での金銭が絡まなくてはならない。この金銭という要素がコンテンツ行為の拡大にどう寄与するかという問題(第二問題)。
 それで、少しはこの金銭という要素がコンテンツ行為の拡大に寄与するとして、誰に金銭がどれくらい配分されると最も公正で、効率的かという問題(第三問題)。
 これをしっかり考えないと、議論がそもそも噛み合わなくなります。


 僕はこう思うのです。
 補正論は全部「結論めいたこと」に回します。大枠だけです。
 第一問題。閉じた意味性はコンテンツの自己消費権市場で、外への意味性は対外利用権市場で判断されればよろしい。
 第二問題。大いに寄与する。だから「論理的な範囲で」最大限コンテンツは金銭化、商品化することが正しい*3
 第三問題。クリエータ(生産者)とメディア(流通・ファイナンス)の間で決定すべきだが、クリエータ中心主義でかんがえないといけない。


 この三つの視点を、ここに書かなかった補正要素を加味して「システム」にするっちゅうのが、「著作権の根本論」の一つの考え方かな、と、まぁ思うわけです。


 だから、敢えて言いたい。
 著作権を論じるために、著作権を学びて倣うのは、もうやめろ。そんなトートロジカルなことやっても、何一つ、有用なことは生まれない。対象に帰れ。たとえ群盲象をなでるとしても、堂々と己の手でその象をなでよ。
 もしも、そんな、賢い社会人の目から見たらご苦労なことをしている連中で、あーでもない、こーでもないと、(東さん流には「啓蒙」なんだろうけど、境流には「プロレス的」な)議論ができるとしたら、それには大賛成です。白田さんも賛成っぽいんで、是非それをやろりたいなぁ。と、役人としては珍しくロフトプラスワンデビューを先日飾った*4僕は、そう思うわけです。
 タイトルは、そうですね、著作権「真・議会」とでもしますか。


 ダメ? > 東さん



 支離滅裂な終わり方だな



追記 先日、丹青電子に行こうと思って急な階段を上ったら、そこはメイドリフレになっていた。びっくりして、でもマッサージは好きなのでとりあえず入ってみたら、意外と巧かった。二度ビックリ。
その丹青が復活したと聞いてびっくり。その近くにあった「高速電脳」が逝っちまってビックリ。
そして、老舗のエルゴソフト*5がついに一般アプリケーションソフトをおやめになると聞いて、心の底からのビックリと、大いなる惜別と、少々の感謝を。
栄枯盛衰。これがコンピュータの産業*6


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*1:島本先生をお呼びしたことについては、2chなんかで、白田先生の趣味だ、いや、主催者の趣味だ云々というカキコがあったように側聞しています。あえてばらせば、それは僕の趣味です。そして、早稲田大学大学院GITS境研究所のノリがよいメンバーの趣味でもあります(そうだよなっ、おい!)

*2:物書きでもないのに物書きのようなことをしている私には、東さんの「煮詰まったから、ブログに長文カキコする」というご発言が輝いて見えます。さすが、哲学者!

*3:ただ、この「論理的な範囲」の「論理」ってなんだよ、お前!って感じですが。

*4:といっても、僕の役回りは、伊藤剛vs東浩紀のサンダ対ガイラのようなバトルが始まると、一人で「醜いなー!実に醜い!」とチャチャを入れる、レレレのおじさんのようなものではあったが。

*5:実は、コーエーの100%子会社なんだよね。シブサワ・コウ=襟川現会長の旦那さんが、エルゴの社長をされている。

*6:え?メイドリフレもそうか、って?訊くなよ。