ごじょうだんでしょうホリエモンさん

http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/Interview/20080910/314505/01s.jpg
堀江貴文さんが、アメブロに書いているということを知ったのは、今日でした*1。それはITproの記事(沈黙を破ったホリエモン)を見たからなんだけど。
記事を見ると、なかなかきちんとしたことを言っていて、大まかなところ、僕は間違えていないと思う。
その中で天秤の琴線に触れたのは、「テレビ局はいわゆる『番宣』という自社広告に使っています」という一節。
テレビ進化論的には、これが電波という流通覇権の上に生まれている今のテレビ局の派遣の源泉なわけだが、天秤自身、これに対する評価は常に揺れている。先日、SAPOの取材を受けた時には、競争政策の側面からやや否定的に評した。テレビ進化論の中では、肯定的に書いてある。揺れてるナァ。むむむ・・・。
堀江さんには、この「覇権力」がテレビ局の含み資産に見えたということらしい。それには同意するけど、その算定はがいかほどかは、天秤にはまだわからない。おそらく、バランスのとれた政策の下では、覇権力に見合った公的責任として内容規制が強化される*2ので、長期的にはあまり大きなものにはならないだろうと思う。テレビ世代どっぷりの天秤や堀江さんは、感覚的に相当高く評価しているような気もするけど。
もう一つ、琴線に触れたのは、「“iPhoneをやるため”にソニーを買収したかった」というところです。これは堀江さん、おわかりでない。
大事なことは、コンテンツ産業全体は所有できないということです。Appleコンテンツ産業と等距離を(少なくとも外見上)保つことで、iTunes Storeという「共通プラットフォーム」を構築し得た。逆に、ソニーは自社系列のコンテンツ産業をもってしまったことで、「色つき」になってしまい、プラットフォームとしての戦争に負けた。
おそらく、仮に堀江さんがソニーを買収できていたとしても、iPhoneは生まれなかった。いや、iPhoneと同等の製品と仕組みは生み出せたかもしれないけれど、iTune Storeに相当するものは生み出せなかったように思います。
それにしても、久しぶりに元気な姿を見て嬉しかったです。

*1:っていうか、あのブログが堀江さんだとは知らなかったというべきか。(^_^;)。

*2:その代わり、より覇権力に乏しいメディアでは内容規制が緩くなるので、社会全体としては表現の自由が抑圧されるわけではない。