JASRACへの排除勧告は是非、公の場で議論すべきだ

 これも多々報じられているが、JASRACに排除勧告が出されたようだ。その悩ましさについては曾て書いたので、二度は書かない。
 ただ、排除勧告が問題にしているのは全曲報告であるという指摘についてはもっと検討してよいかもしれない。先だって、ネット利用調整制度に関する民間審議会の場で複数の楽曲認識システムのデモをしてもらったが、局側に全曲報告をしてもらわなくても、自ら全曲確認をすることはできる。逆に、本当にこれが問題であれば、また使用楽曲がどこかの事業者にちょいと委託すればリスト化できるのであれば、それを放送局に義務づけることもやぶさかではないかもしれない。JASRACがいいにくければ、まさに現行のシステムが手間がかからないという意味で業界のためになっているのであれば、総務省が放送局にそう義務づけるのも手である。
 だから、天秤はJASRACがこの判断には「到底承服できない」という言葉に強いシンパシーを感じると同時に、じゃあどうすればよいのかということを、現在の技術や関連サービス業のあり方を踏まえて考えるべく、公の場で議論すればよいと思うのだ。
 万機公論に賦すべし、である。