2.課税対象の確定

 「財産」という言葉は、動産・不動産を問わず物的資産を原点として、債権や知的財産に拡張されてきた。それは貨幣が生まれる疎外メカニズム*1の外延にたち、貨幣と可換なものを広く「財産」と考えるようになったといってもよいだろう。
 確かにネット上に構築された部分世界では、そこなりの「貨幣」が存在し、それと可換な「財産」も多く存在する、といえる。しかし、貨幣との可換性はプレイヤーの主観に依存するものであるから、仮に財産税方式を想定するのであれば、「どの程度」貨幣との可換性があれば財産と認定するかという問題が生じる。財産リストの問題である。
 もちろんこうした問題は附加価値税方式や取引税方式を採用すれば解消できる。ただ、ダン・ミラー氏が考えているのは財産税方式のようである。ほんじゃま、どうすんだ?

*1:貨幣商品説にたった議論。貨幣は本来ある種の商品であったが、それが広く交換の対象となることで、むしろ汎用的な交換可能性=市場に於ける価値媒介性そのものが交換上の意味になるということ。