で、結局・・・
課税の方法は何とかなりそうだし、課税対象についても、資産課税でなければ大丈夫そうだ。
すると、問題は課税の正統性の問題に帰る。
ネット空間に、どういう正統性で課税対象を区画するのか。ここで、伝統的な課税観念に立った上でこれをサービスの国籍論に還元するなら、簡単に言えばネット空間上のサービスに逃げようのない国籍を設定する議論と考えるなら、解はないように思える。逃げようとする事業者はいくらでも逃げられるのがインターネットだ。
そこで、現実性ある議論は二つだと思う。
一つは、貨幣変換時に取引課税的に介入すること。この場合、貨幣変換を一種の金融行為として捉え、特別な事業法制で捕獲するということになる。サービスの地理的存在との関係が問題になる*1が、そこは各政府とも同じような問題を抱えるので、条約ベースで相互にできるようにするんだろう。
もう一つは、よりお薦めな方法。そもそも課税に関する考え方を転換し、国家と国民がサービスとその利用料としての税金納付というある種の契約を結ぶという考え方を採用する*2。
実は、これはバーチャル空間だけの問題ではない。リアルでも、個人も企業も、国家のサービスを基準にして国籍を選ぶ時代はすでに始まっている。
この場合、国籍を確定するために、各サービサにネット空間の国籍登録をしてもらうということになる。もちろん、各国は登録してもらうためにきちんとしたサービスを提供しなくてはならない。その上で、課税水準なども、お客が逃げないようによくよく吟味して決定するということになる。
日本政府がこの方式を採用するのであれば、今まで以上に公開で、交渉的なプロセスを経て課税水準を決定しなくてはならないし、それによって引き受けたサービス提供を、サービス業者として真面目に行わなければならない*3。
いずれにしても、登録データベースと通貨。ネット空間の経済学で重要な二つのワードがまたも飛び出したわけだ。
ただ、今は「ご冗談」で「アレゲ」でも、この議論はすぐに現実性を帯びたものになるだろう。議論の準備はしておかないと(ふぅ〜)。
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