公取がJASRACへ排除措置命令をだすとか

 公取がJASRACへテレビ局との包括契約について排除措置命令を出すという報道がそこかしこであった。うーん、なやむなぁ、これ。
 JASRACの問題を考える時に、著作権等管理法の制定と統一データベース問題の矛盾というやつは避けて通れない。つまり、片方で市場経済の時代なんで競争だよねといって著作権法の指定により特別な地位を有していたJASRACが競争状態に置かれたわけだが、他方では同時にインターネットの普及によってむしろあるコンテンツがどこにあるかキチンと分からなければならないので統一的なデータベースの必要性が強まったということだ。言い方を変えれば、時代がJASRACを要請していた時に、別の理由でJASRACを解体したと。しかも市場支配率はそのままという、相当中途半端な方法でだ*1
 少なくとも、JASRACがその特別な地位を持っていた時代に結んだ包括契約を法的に問題視されるというのは少し驚きだ。確かにJASRACに統一窓口をやらせて、他の事業者への配分をさせるためのは合理的な考えだと思う。しかし、それはすでに著作権等管理事業法の時に捨てた選択肢だし、これを独禁法の文脈から命じるのはかなり違和感がある。
 自分もプレーヤーだが、最近香ばしい登録制の議論は、実は両者を止揚するためのものだったりするんだが・・・。ま、それはいいや。

*1:それゆえ、JASRACの中には、これで堂々と一事業者として好きなことができるので、著作権等管理事業法JASRAC支援法であるという人までいた。この台詞の妥当性は皆さんに判断を委ねたい。